年齢を重ねていくと、髪の隙間から地肌が見えてきて「髪が薄くなってきたな…」と実感してしまいますよね。はじめは、見てみないフリをしていても、さらに、髪が薄くなってくると、気になって仕方が無くなってしまうかもしれませんね。
僕が美容師を始めた20年前よりも、『薄毛』に関する研究は、格段に進歩しています。正しい薄毛の対策をすることで、薄毛の悩みは、必ず解消します。
ただし、正しくない、薄毛の対策をしてしまうと、全く効果がないばかりか、ストレスも大きくなり、逆効果になることもありますので、正しい情報をお伝えしたいと思います。
発毛のメカニズム
薄毛になってきたからと言って、髪が生えてこなくなったわけではありません。どのようにして髪が生えているかというと、髪には、毛周期(発毛サイクル)と言われるサイクルがあります。
引用:花王ヘアケアサイト
男性だと3~5年、女性だと4~6年くらいの髪が生え続けている期間を成長期、髪の成長が止まって髪が抜けてしまう時期が退行期(2~3週間)、髪が抜けて生え始めるまでの休んでいる間を休止期(数か月)というサイクルがあります。
薄毛とは、この発毛サイクルが短くなっていることを言います。通常、3~5年の成長期が、1年~3年に短くなったり、1年未満になったりすることを、薄毛が進行すると言います。
引用:花王ヘアケアサイト
逆に言えば、この発毛サイクルを伸ばすことが出来れば、薄毛の悩みを解消できることになりますよ。
薄毛の原因は?
薄毛の原因は、発毛サイクルが短くなることです。発毛サイクルが短くなることの原因は、一つとは限りません。むしろ、いろんな要因が絡まって、サイクルが短くなることが多いので、一つの原因を対処しても、なかなか結果が出ないことも起こりえます。
ここでは、どんな原因があるか見ていきましょう。
男性ホルモンによる発毛抑制
男性ホルモンは、男らしくなるために必要なホルモンです。男性ホルモンは、20代をピークに多くなりますが、男性ホルモンであるテストステロンと、毛穴の中に存在する5αリダクターゼという酵素が結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という物に変換されます。
そして、(ジヒドロテストステロン)が毛乳頭に作用して、発毛サイクルが短くなってしまいます。こういった仕組みが、薄毛の原因になっているんですね。
みなさんが薄毛対策にしている、亜鉛やノコギリヤシのサプリメントは、5αリダクターゼの働きを抑制しています。薄毛対策用のシャンプーやトリートメントにも、5αリダクターゼの作用を抑制する成分が入っていて、男性ホルモンによる薄毛には効果を発揮します。
ちなみに、5αリダクターゼを抑制することは、女性にも若干効果を発揮できます。これは、年齢を重ねることで、女性ホルモンが減っていき、男性ホルモンが優位になっているからじゃないかと言われていますが、はっきりとはわかっていません。
発毛遺伝子FGF7の不活性
年齢を重ねてくると、身体のいろんな箇所で衰えを感じてきませんか? 髪の毛も同じように、毛髪を作っている遺伝子の働きが悪くなってきたり、少なくなったりします。
以前までの、育毛剤は、使っている人の30%ほどしか効果を実感できていませんでしたが、最近主流の育毛剤は、50%~80%くらい効果を実感するようになってきています。
その理由は、FGF7にアプローチするようになったからです。現在、効果の高い育毛剤の主要成分は、すべてFGF7の活性を高めるものです。
FGF7の活性を高める育毛剤は、男性・女性共に効果を発揮していることが、様々な検証で実証されています。ということは、男性ホルモン型の薄毛も、最終的には、FGF7の活性に影響があるのだと考えられます。
肌の炎症(肌荒れ)による薄毛
美容院でお客様の頭皮を観察していくと、頭皮が赤くなっている方が多くいます。頭皮のかゆみの原因は!?という記事にも書きましたが、大手メーカーの調べでは、男女とも7割の人に、頭皮の紅斑が見られたという報告があります。
そして、頭皮が荒れている人ほど、薄毛や髪が細くなっている方が多いのが事実です。
男性の多くは、頭皮がすっきり、さっぱりしたほうが、清潔だし、快適だと思っているかもしれませんが、皮脂が多く分泌されるのは、肌が荒れている証拠なのです。
科学雑誌にも、頭皮に炎症が見られた方が、皮脂の分泌が多く見られたという研究結果が出ています。そして、皮脂の分泌を抑えることが、肌荒れの改善の第一歩になるのです。
皮脂は、乾燥すると多く分泌する特徴を持っています。高すぎる洗浄力のシャンプーは、頭皮が乾燥するので、肌にダメージを与え、皮脂の分泌を促してしまいます。
そして、過剰に分泌した皮脂は、24時間すると過酸化皮脂となって、肌にとって刺激を与えるものに変わってしまいます。
薄毛の対策は?
薄毛対策に関わる商品は、多く出ています。育毛剤、サプリ、シャンプー等のヘアケアなど、様々なものが販売されています。
僕は、若いときにブリーチを繰り返した経験から、頭皮や顔だけ、肌が弱くなってしまいました。そのせいで、髪が細くなったり、薄くなってきた経験がありますが、頭皮の状態が良くなると、髪が太くなったり、増えたりしました。
そのような経験や美容院のお客様の頭皮や髪を観察してきた経験から判断すると、一番大事な薄毛対策は、頭皮の状態を整えることです。
頭皮の状態が整っていなければ、どんな育毛剤を使おうが、薄毛に効くサプリを飲もうがあまり意味がないのです。
なぜかというと、頭皮の状態が悪いということは、頭皮に炎症が起こっているということで、頭皮にあるいろんな細胞が、炎症を抑えることを優先してしまうからです。
頭皮ケアの広告を見ていると、なんでもいいもののように感じてしまいますが、まずは、頭皮の状態を整えることの重点を置いてみて下さい。
まずはシャンプー
僕は、美容院の中でも、とくに評判の良いとされるシャンプーを数十種類試してきましたが、自分に合ったシャンプーを使うことが、薄毛を改善する近道だと思います。
女性は、顔などの肌をきれいにするために、洗顔と保湿を重要視しています。男性でも、肌のお手入れの基本は、洗浄と保湿です。それは、頭皮でも同じことなのです。
洗浄脂力は、強すぎず弱すぎずです。とくに、脂っぽく、脂の酸化臭がしてしまう人などは、頭皮をスッキリ洗いたいと思い、強力な洗浄力のシャンプーを使いがちです。
先ほども、いいましたが、皮脂の分泌が多いということは、頭皮が荒れて、炎症を起こしているということです。そんなデリケートな頭皮に、強力な洗浄力のシャンプーを使ったほうが良いと思いますか?
デリケートな肌には、マイルドなもののほうが良いとは思いませんか? もし、洗い足りないようでしたら、シャンプーを2度洗いしてください。基本的に頭皮の状態を良くすることが出来るようなシャンプーは、2度洗いをおすすめします。
頭が脂臭いのなら、ホホバオイルで
それでも、頭皮の脂の酸化臭がとれないようであれば、ホホバオイルが有効です。
- お風呂に入る前に、手のひら10円玉くらいのホホバオイルを手で伸ばし、頭皮に擦り込んでください。
- 2,3分頭皮の皮脂とホホバオイルを馴染ませるようにして、さするようにマッサージをしてください。
- 次に、お風呂に入ってから、お湯を手に取りながら、頭皮のオイルと馴染ませてください。
- その後、通常通り、シャンプーを2度洗いすると、頭皮の酸化臭はなくなっていると思います。
頭皮が脂臭いのは、過酸化皮脂なので、肌の炎症の原因になってしまいます。この酸化皮脂をマイルドな洗浄力で落とすことが、肌の炎症を抑え、薄毛を改善するためには、とても重要です。
おすすめのシャンプー
正直、自分に合ったシャンプーや頭皮の炎症を抑えるシャンプーを探すことは、とても難しいです。
僕は、美容業界に20年くらいいますが、頭皮の炎症のことを理解して、シャンプーを紹介できる人は、100人に1人もいなかったです。
なので、本当に薄毛を改善したい人は、これから紹介するシャンプーを使ってみて下さい。
パルガ・ヘアソープソフト
肌の状態が悪い人や皮脂の分泌が多い人は、とても泡立ちづらいし、すっきりシャンプーが好きな男性には、かなりしっとりするので、はじめは違和感があると思います。
ただし、使い始めてしばらくすると、泡立ちが良くなってきます。泡立ちが良くなってくるということは、皮脂の分泌が収まってきた証拠なので、頭皮の状態も改善していくでしょう。
しっとりするのは、コラーゲンが豊富に入っていて、頭皮の保湿にもなるので、このしっとりさが大事なんです。
また、この商品は、とても腐りやすいです。それは、刺激になる防腐剤を極力減らしているからです。この商品を購入する場合は、少し割高ですが、250mlのボトルを購入しましょう。
1000mlのレフィルで、継ぎ足して使っていくと、夏のような、高温高湿度の状態が続くと、腐った臭いが漂ってきます。250mlのボトルであれば、そのようなことはないので、割高ですが、薄毛の為には、ボトルを購入しましょう。
まとめ
薄毛の原因の最終的に行きつくところは、発毛遺伝子が不活性になってしまうことだったんです。それは、栄養の問題かもしれないし、男性ホルモンが原因かもしれません。
そういった原因が進行して、遺伝子が老化していきます。老化=頭皮の炎症です。そして、最後に薄毛や髪が細くなってしまうということになります。
まずは、頭皮の炎症を抑えることから始めましょう。そのためには、まずシャンプーです。そうして、頭皮の炎症が収まってくると、他の薄毛対策も効果的になりますよ。
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