僕は「クセ毛や髪のダメージの悩み」を解決するというコンセプトの美容院で働いています。そんな美容室なので、縮毛矯正をされるお客様や他店で失敗して来店される方が多くいらっしゃいます。
そんなお客様からよく聞く質問が「シャンプーはいつからしていいですか?」や「今日はシャンプーはしないほうがいいですよね?」といった質問です。
美容院やブログによって話す内容が違っているので、一般の方からすると混乱してしまうのではないでしょうか?なぜ、美容院やブログによって話が違うのかも、出来るだけわかりやすく説明していきますので、最後までお付き合いくださいね
基本的には、当日からシャンプーはOK
まず、結論からすると当日のシャンプーはOKです。縮毛矯正に限らず、パーマやカラーに関しても、当日にシャンプーしてもらって構いません。
詳しくはこれから話していきますが、当日にシャンプーが出来る状態にして、お客様にお帰り頂くのが、美容師としての最低限の仕事になります。もし、そうでないのであれば、まだ帰ってもらうわけにはいかないのです。
しっかり薬剤を反応させて、髪を本来ある状態に戻してから、帰っていただくことで、当日からシャンプーできるような状態になるばかりか、髪を痛みにくい、健康な状態にできるのです。
実は、当日シャンプーしても、次の日シャンプーしても変わらない。
かなり以前から、美容師が縮毛矯正後の当日のシャンプーをおすすめしていませんでした。僕もはじめに入った美容室で、そのように教えられました。
ただ、美容師同士で縮毛矯正をかけた場合でも、当日にシャンプーしても、次の日にシャンプーをしても、あまり違いは分かりませんでした。
縮毛矯正などのストレートパーマでは、違いがわかりづらいので、パーマのかかり具合の実験の画像を見て下さい。
引用:リトルサイエンティスト
この画像では、正しい薬剤の使い方をした時と、そうでないときのパーマのかかり具合を比べています。黄色のしるしがある部分が正しく2液を反応させた場合、他の毛束は、同じ薬剤を使っても、うまく反応させられなかった場合です。
1番上の画像は、パーマをかけた当日、2番目の画像は、3日後、3番目の画像は、20日後だとイメージしてもらえれば、わかりやすいと思います。
20回シャンプーした時点で、こんなにウェーブの持ちが変化してしまいます。1日シャンプーを待ったからといって、あまり関係がないのは想像できませんか?
このように、正しく薬剤を使っていないと、20日経ったとしても、しっかりと定着をしていないんです。
ということは、当日にシャンプーをしなかったからと言って、髪はしっかりと定着をしないんです。1週間たったからと言っても、お薬を正しく使えていない時点で、髪は痛みやすくなってしまうんですよ。
なぜ、当日のシャンプーがNG?
病院などでも入院が必要な状態で、家に帰すことはないと思います。少し難しくなりますが、パーマは還元と酸化の反応です。還元で髪の結合を切り、髪を柔らかくして、最後は、酸化して、髪をもとの状態に戻していきます。
最近、『ドクターX』を見ていましたので、つい病院ネタにしてしまいますが、「手術で、身体にメスを入れたのに、最後に縫合しなかった…」というのは、医療ミスになってしまいます。パーマやカラーは、目で見えない手術のようなもので、最後に元の状態に戻すことで、施術が終わります。
ただし、目に見えないために、雑に施術をしてしまう美容師も多いのです。そういった条件が重なり、縮毛矯正が失敗してしまい、お客様からのクレームが増えていきます。
本当は、美容師の施術ミスなんですが、なぜ失敗したのか?ということもわかっていない美容師もいるので、「今日はシャンプーをしないでください。」「24時間はシャンプーをしないでください。」というような見当はずれなアドバイスをしてしまいます。
当日のシャンプーがダメな理由は酸化不足
今まで、ダメだったのに「当日のシャンプーでも大丈夫ですよ。」と言われても少し不安もありませんか?
「1日や2日くらいシャンプーをしなくても平気だから、やっぱり縮毛矯正をしている当時のシャンプーは控えようかな…」という方もいらっしゃると思います。
なぜ、美容師が「当日シャンプーをしないでください」というのでしょうか?
それは、自然放置をして髪を酸化させるためです。本当は、美容院で酸化剤を使い、髪をしっかりと酸化させなければいけないのですが、知識不足などから、縮毛矯正で還元して柔らかくなった髪を、酸化不足の状態で家に帰っていただいたために、そんなアドバイスになってしまったんだと思います。
でも、本当にシャンプーしないほうが、髪は酸化するのでしょうか?
インディゴは、シャンプーすることで酸化する
ヘナカラーをご存知でしょうか?ヘナカラーに関しては、別の記事があるので参照してください。気になる白髪染めのヘナを美容院の視点でご紹介します。
ヘナは自然の植物を使ったヘアカラーで、白髪をオレンジ色に発色します。そのままだと、とても派手になってしまうので、インディゴという自然の植物を混ぜ合わせることで、白髪をブラウンに染めることが出来ます。
その中のインディゴは、青紫色に発色しますが、インディゴは、空気中の酸素で酸化され3日くらいかけて発色していきます。このことから、縮毛矯正の酸化不足も時間を置けば解消できんじゃないかと推測できます。(厳密には、違うかもしれませんので、あくまで推測です)
しかし、実はシャンプーをしたほうが酸化が進むことがわかっています。また、シャンプー後にすぐ乾かすのではなくて、しばらく濡らしたままのほうが酸化が進み、インディゴの発色は良くなっていきます。
このことからも、縮毛矯正後、当日にシャンプーをしてバサバサになってしまうことと、定着をよくするために当日シャンプーをしないことは、矛盾しているということになります。
縮毛矯正後もシャンプーしたほうが酸化する
インディゴの酸化のメカニズムと同じように、髪は乾いた状態よりも、濡れた状態のほうが酸化が進むことがわかっています。縮毛矯正後の酸化不足に対処するにしても、シャンプーをしたほうがしっかりと酸化が進むのです。
もし、当日のシャンプーでバサバサになってしまうのだとしたら、数日後にシャンプーをしても髪はバサバサになってしまうでしょう。
それどころか、酸化不足な状態で、数日過ごすことになるので、髪が痛みやすい状態が続くことになってしまいます。
頭皮の皮脂は24時間で有害に
僕の美容室では、エステシモというブランドのヘッドスパの勉強をしています。エステシモと言っても知らない人もいらっしゃると思いますが、ヘッドスパという名前を名付けたのは、エステシモの会社のタカラベルモントです。
そのエステシモの勉強の中で、頭皮の皮脂は24時間で酸化して「過酸化脂質」になってしまうことがわかっています。そして、酸化した皮脂の「過酸化脂質」は、頭皮に対して有害な刺激を与えることがわかっています。
頭皮の炎症を起こす原因と言われ、髪の発育の阻害や薄毛、クセ毛の原因につながるものです。
頭皮の皮脂は、24時間で酸化してしまうため、毎日シャンプーしないと、頭皮の状態は、悪くなり、かゆみやフケ、そして、クセ毛や薄毛の原因になってしまいます。
毎日、決まった時間のシャンプーは頭皮環境を守るためにもとても重要なのです。
縮毛矯正後のシャンプーはいつから?のまとめ
今回の記事を読まれてどう感じましたか? まだまだ説明不足なところもあるかもしれませんが、美容師の率直な考えをお伝えしました。当日のシャンプーをおすすめしない美容師でも、知識は少し足りないかもしれないけど、施術に問題がない方もいらっしゃると思います。
しかし、当日にシャンプーをして、縮毛矯正がうまくいっていないのであれば、別な美容院に相談されたほうがいいと思います。
縮毛矯正のかかりが悪いというのであれば、信頼ある美容師であれば、かけ直しをお願いすればいいと思いますが、明らかに、髪が痛んでバサバサしてしまうのであれば、同じ美容院で施術するには、リスクが高すぎると思います。
もし、そのような状態でお困りであれば、次の記事も読んでみてください。
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