美容院のお客様アンケートで、「髪を乾かす前にヘアクリームをつけたりして、気を付けているつもりなのですが、切れ毛が出てしまいます。縮毛をかけていると仕方ないのでしょうか?」という質問を受けました。縮毛矯正に限らず、女性の髪の切れ毛の悩みは、よく伺う悩みのひとつです。なぜ切れ毛になってしまうかも含めて、切れ毛を防ぐ方法を紹介していきます。
切れ毛になると…!?
お客様の悩みの中でも、切れ毛などの髪のダメージの悩みは、悩みの上位の中に一つです。髪がまとまらないということに関しての悩みがほぼ上位を独占しているので、切れ毛が起こったことによって、ヘアスタイルが維持できなかったり、自分の思い通りにならないことへの不満があるのだと思います。
切れ毛になってしまうと、とくに毛先のまとまりが悪くなり、ツヤが無くパサついた髪になってしまいます。また、髪が割れたように切れている状態は、爪が割れている状態と同じようなものです。そこにヘアデザインであるパーマやヘアカラーをしてもうまくいくはずがありませんね。
カットをしても毛先が2つに割れた状態では、うまくまとまるはずがありません。毛先が広がるようなツイストパーマをかけたようなヘアデザインであれば、切れ毛のまとまりの悪さが生かせるかもしれませんが、中途半端になってしまいそうですね。
このように、身なりを奇麗にしたほうがいいような普通の社会人に人たちには、あまり切れ毛は歓迎されるものではないのではないでしょうか。
髪が痛むメカニズム
最新の毛髪化学では、髪が痛んでいる状態では、髪の内部にボイドという空洞ができていることが確認されています。髪が痛んでくると、髪の内部の元になっているタンパク質とそれを接着しているCMC(細胞膜複合体)が流れ出ていき、最終的に髪に空洞ができていき、髪がパサついてきたり、切れ毛になってしまうのです。
このことから、髪を痛ませないためには、髪を接着しているCMCが髪から流れないようにすることで、髪のタンパク質の流出を防ぐことができ、髪にボイドができなくなり、髪のパサつきや切れ毛が無くなり、髪を健康な状態に保つことが出来るのです。
美容院で施術したときだけ痛んでいるのか?
お客様から「縮毛矯正をかけていると仕方ないのでしょうか?」という質問がありましたが、個人的にはそんなことはないと思います。それは、縮毛矯正をかけている方でも、切れ毛になっていない方も多くいらっしゃるからです。
日本人の髪は、外国の方に比べて多様性があり、同じ日本人でも髪質を比べるのは難しいところもあります。そのため、切れ毛がとてもできやすい人もいらっしゃいます。僕は、最近ではカラーもパーマもかけませんが、すぐに切れ毛ができてしまいます。さらに、若いときから切れ毛ができていました。このように、縮毛矯正をかけていなくて、ヘアケアもしっかりしていても切れ毛ができる方もいらっしゃいますが、一般的な話をさせていただきます。
美容院では、多くのお客様がいらっしゃいますし、いろんな施術を受ける方がいらっしゃいますが、無茶な施術はせずに、しっかりとヘアケアをされる方のほうが、髪の状態が健康的で、切れ毛やパサつきがないことが多いです。
無茶な施術というのは、カラーで言うと、ホームカラーや明るくしたり暗くしたりを繰り返したり、パーマ施術で言うと、ストレートにしたり、ウェーブのパーマをかけたりを繰り返したり、縮毛矯正などでは、必要以上に強い薬剤を要求して少しでもクセを伸ばそうとすることです。
また、しっかりとヘアケアというのは、美容院でオススメしたシャンプーなどのヘアケア商品を使っていたり、薦められた方法を実践しているということです。
この2つのことを実践している方のほうが、していない方よりも同じ施術をしていても髪の痛み具合はかなり違ってきます。正しいヘアケアをしている人のほうが、切れ毛やパサつきは少なく、髪のまとまりは良くなっています。このように美容院以外のホームケアがとても大切になってきます。美容院に来店するのは、多くても一年で10日くらいですからね!
ヘアケアの基本はシャンプー!
僕はいろいろなところで、口が酸っぱくなるくらい言っているのですが、ヘアケアで一番大切なのは、シャンプーです!
髪は『繊維』です。みなさん高価な洋服や着物は、どのように扱いますか? クリーニングしてもらいますよね。また、デリケートな衣類は、「エマール」などのデリケートな衣類用の洗剤で洗いますよね。このように、髪の状態がデリケートになればなるほど、髪の洗剤である「シャンプー」がとても重要になるのです。
髪に切れ毛ができてしまう最大の原因は、ドライ表示やニット素材などのような状態になっているデリケートな髪を、頑固な汚れでも真っ白になってしまうような洗浄力の強いシャンプーで洗ってしまうことで、衣類のように縮んでしまったり、毛玉ができてしまうように、髪に切れ毛ができてしまったり、パサついたりと痛んでしまうのです
流さないトリートメントは手になじませる!
切れ毛やパサついた髪をしっとりまとまりのいい状態にするには、オイル系の流さないトリートメントは最適かもしれません。
ただ少し気を付けなければいけません。オイルやクリームタイプの流さないトリートメントは、通常髪の表面をコーティングしてくれますが、髪が痛んでいる状態のときは、キューティクルが剥れているので、髪の内部まで浸透してしまいます。
一見、髪に良さそうな感じがしますが、髪とオイルは性質が違うので、内部までオイルが浸透すると、髪はベタつき、ドライヤーでも乾かなくなってしまいます。最近、流行りの「オイルシャンプー」を使っている方の中にも心当たりがあるかもしれませんね。
これを防ぐ方法があります。それは、オイルトリートメントを手に少量出して、両手でしっかり擦り込んでから、髪につけるという方法です。手のCMCという脂質とオイルトリートメントをなじませることによって、しっとりしながらも、あまり重くならない質感になります。そんなに手間がかかることではないので、ぜひ試してもらいたいです!
あまり、品質が良くない流さないトリートメントは、皮脂となじまない可能性があるので、そういう時は、品質のいいものを使ってくださいね!
最後に…
ここまで、長い話にお付き合いくださいましてありがとうございます。シャンプーやトリートメントなどは、商品が多すぎて、何を使ってもあまり変わらないと思っている方も多いかと思います。美容業界にいても、あまり違いが判らない人も多くいるので、当然だと思います。
ただ、本当に自分に合った良いヘアケアに出会うと、今までのものには戻れなくなるくらいの衝撃や感動が起こると思います。そうして、髪をきれいに保ち、ハッピーな日常を楽しまれると嬉しいです!
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